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| 2006.11.30 Thursday | | - | - |
■シリーズ・地味目な美術館・博物館:イスタンブール「国立考古学博物館」
小さい頃、「これは何千年も前の『ヒト』が使った、瓦礫なんだよ」と、石ころを見せられて、「へええ」と目を輝かせたことがあるとしたら、それは相当に「風変わりな」子供に違いない。
「おもしろくとも何ともない」退屈な「跡」こそが、考古学的遺物なのだが、そこにたくましい想像力を働かせ、数千年前の先達の生き様を読み取ってやろう、という気になるのは、どういうきっかけからなのだろう、と思い巡らす。

国境なき古本屋―ブック・エデン「book-EDEN」店主・生橋竜馬が、漠然と「古代オリエント」の時代を垣間見るきっかけとなったのは、今回ご紹介するトルコイスタンブールにある、「考古学博物館」のおかげもかなりある。



この地味な「博物館」に店主は、3度ほど足を運んだ。最初は、もう20年以上前の話になるが、デュっセルだかパリだかでの打ち合わせの後、どうしてもコンスタンチンノープルに行ってみたくなり、ふらっと出かけた時、のことになる。

当然、トプカプ宮殿やら大好きな地下宮殿(といったっけ?)をちらっと通り過ぎ、バザールで知り合いの店をからかい、そして「考古学博物館」を訪れた。
いつ行ってもそうなのだが、この博物館は喧騒から隠れたようなたたずまいをしており、どう贔屓目に見てもそんなたいそうな「博物館」には見えないのが「味噌」である。

何度か改築もしたようだが、ここには「ヒッタイト」の地味な「文字遺物」が整然と展覧できるようになっている。北海道沖の大地震があったときなど、ここに集まった人たちからずいぶんとお見舞いの言葉をいただいて、思わず店主は「領事」か「大使館員」の代わりをしたような思いでもある。

「ジェンダー」という耳慣れない言葉で、特別な女性中心の展覧会をしようじゃないか、という話を聞かされたのも、何回目かのこの博物館でのことであった。まだ、日本では「男女雇用均等何とか法」が施行される前の話であり、店主には茫洋としたつかみ所のないイメージしかなかったのだ。
相手の副館長、学芸員がいう、観念的な「男女同権」ではない現実は、ややもするとその十数年前に沸き起こったある種の「運動」の一部を思い出させ、逡巡した。

今でもこの博物館には特別な思いがある。さして十分な設備とはいえない環境の中、ましてや片隅の研究を地道にすることの意義、を強く思い知らされたからだ。

いつでも行ってみたいか、と聞かれれば即座にすぐにでも、と言えるそんな博物館が世界にはあるものだ。

店主・生橋竜馬
| 2006.07.13 Thursday | 16:52 | comments(0) | trackbacks(1) |
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| 2006.11.30 Thursday | 16:52 | - | - |









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| リフォーム(住宅・キッチン・バス・ルーム・トータル・住まい・トイレ)の完全オススメ情報 | 2006/09/07 5:09 PM |
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